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トレド|中世の約1000年間、イベリア半島の中心として栄えた都市

トレドの歴史はとても長く、最初にこの地が「首都」とされたのは560年で、ローマ帝国の東西分裂、ゲルマン系王国でキリスト教を国教とする西ゴート王国、そして、その後の数百年はイスラム勢力の支配下となりますが、文化面でいえばキリスト教世界からも学者が訪れ、イスラム教とキリスト教の融合する文化都市として発展します。

1085年に、キリスト教勢力であるカスティーリャ=レオン王国のアルフォンソ6世がトレドに入城し、以降、1561年に、フェリペ2世がマドリードに遷都するまでの数百年間、文化・政治・経済の中心として、鉄製品や陶器などの生産地として繁栄しました。


ウルビーノ|「マヨリカのラファエロ」が生んだ鮮やかな黄色い陶器

ルネサンス期、フィレンツェやローマにも劣らない素晴らし芸術が花開いていたウルビーノでは陶器の製作も非常に盛んで、各地から優れたイストリアート(説話画)の陶芸家が集まり、腕を競っていました。

その中でも特に優れた才能を発揮していたのは、ニッコロ・ペッリパリオ(Niccolò Pellipario)通称二コラ・ダ・ウルビーノ(Nicola da Urbino)です。

二コラは作風や芸術レベルの高さから同郷のラファエロとよく比較され、「マヨリカのラファエロ」とも呼ばれています。


「遥かなるルネサンス」(東京富士美術館・八王子)|4人の少年がみたイタリアのルネサンスと陶磁器

先日、現在東京八王子の東京富士美術館で開催中の「遥かなるルネサンス 天正遣欧少年使節がたどったイタリア」展に行ってきましたので、その見どころをご紹介したいと思います。


ファエンツァ|マヨリカ陶器の代名詞ともなった、イタリア最大のマヨリカ焼きの製陶地

ビザンツ帝国(東ローマ帝国)の美術様式モザイク画で有名な古都ラヴェンナ(Ravenna)に近いファエンツァ(Faenza)は、イタリアのエミリア・ロマーニャ州(Emilia-Romagna)にある人口6万たらずの小都市です。

この小さな街を世界的に有名にしているのは、陶器。

特にマヨリカ焼きをヨーロッパ中に広めたのはファエンツァの窯、陶工たちだったのです。


グッビオ|華やかなルビー色に輝くマヨリカ焼きの産地

中部イタリア、ウンブリア州(Umbria)の州都ペルージャ(Perugia)から車で1時間も走ると、山の斜面に作られたグッピオ(Gubbio)の街が見えて来ます。

イタリア人がこの街をよく知っているのはその歴史の深さゆえ、というだけではありません。

実はグッピオはイタリア国営放送(Rai)で2000年から12シーズンにも渡って放映されている人気ドラマのロケ地として長い間、使われていて、イタリア人にとっては非常に見慣れた街なのです。

 


オルヴィエート|古代エトルリア人の時代から栄える「世界一美しい丘の上の街」

「緑の心臓」と言われるイタリア中部ウンブリア州にあるオルヴィエート(Orvieto)の街は、小高い丘の上にあり、「世界一美しい丘の上の街」と言われています。

群馬県の前橋市と姉妹都市でもあるオルヴィエートへは、首都ローマから列車で一時間。電車を降りたら、旧市街へはイタリア語でフニコラーレ(funicolare)と呼ばれるケーブルカーで向かいます。

ちなみに音楽の教科書にも登場する、ナポリ民謡で有名な「フニクリ・フニクラ」はケーブルカーの愛称なのです。


ジアン|ロワール川沿い古城地帯の起点にある、比較的新しい陶器窯

ジアンは、古城地帯のロワール川上流の起点となる街であり、ロワール川の河岸に突き出た、周囲になだらかな農村地帯が広がる風光明媚な街です。

自然豊かな場所でありながら、パリからは電車でたったの1時間半の距離のため、古くから王侯貴族の狩猟場として知られ、現代でもパリから週末を過ごしに来る人も少なくないんだとか。

この豊かな土壌と温暖な気候をたとえて、ロワール地方は「フランスの庭」と呼ばれます。


フィレンツェ|メディチ家とともに栄えたルネサンスの中心都市

洋食器好きなら是非、訪れたいのがメディチ家の住まいであったピッティ宮の裏手のボーボリ庭園内にある「陶磁器博物館(Museo delle Porcellane)」です。

メディチ家は偉大な芸術家のパトロンとして有名ですが、様々な美術工芸品のコレクターでもありました。

そのコレクションの1つが磁器で、この博物館ではフィレンツェの支配者であったメディチ家に対して、他のヨーロッパ諸国から贈られたセーヴルマイセンといった著名な陶磁器が収蔵されています。


ナポリ|幻の磁器と呼ばれる「カポディモンテ磁器」の生まれた街

「ナポリを見てから死ね (Vedi Napoli e poi muori)」」と言われるほど、一生に一度は訪れたい風光明媚な南イタリアの中心都市ナポリ(Napoli)。

最大の見どころは、1世紀にヴェスビオ火山の噴火により、その火砕流により2000年前の生活をそのままに、地下に埋没したポンペイやヘルクラネウム(現エルコラーノ)遺跡の出土品です。

この影響を大きくうけたのが、イギリス・ウェッジウッド社の創業者であるジョサイア・ウェッジウッド。それまで東洋陶磁器の模倣をもとに発展してきたヨーロッパ陶磁器の世界に、欧州文明の起源であるギリシア・ローマ文化の要素を取り込むことで新たな流行を産み出します。


ベルナール・パリシー|ルネサンス期のフランスを代表する陶芸家
パリシーが発案した「田舎風陶法」と呼ばれる技法は大変有名になり、ついには当時の王国の重要人物であった王妃カトリーヌ・ド・メディシスや大元帥アンヌ・ド・モンモランシーに才能を認められ、1556年には「国王と王太后の田舎風陶法発明者」の称号を得るまでになるのです。

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