ルネサンスを知るためのキーワードは「世界の中心は神ではなく人間」です。
時は15世紀も開けたばかりの1401年。
イタリア、フィレンツェではこの年サン・ジョヴァンニ洗礼堂 (Battistero di San Giovanni)の北の門を飾る彫刻を手掛けるアーティストを選ぶコンクールが開催されました。
1401年にルネサンスの幕開けともいわれる、洗礼堂の門の彫刻制作のためのコンクールがフィレンツェで開かれます。
当時フィレンツェにはこのコンクールの勝者となったギベルティーをはじめ、ライバルでのちに大聖堂の丸天井の設計に携わるブルネレスキ、ブルネレスキの友人のドナテッロなど錚々たる彫刻家たちが活躍していました。
そのドナテッロと競作することとなった、フィレンツェの大聖堂のための大理石の聖歌台を作ったのがルカ・デッラ・ロッビア(Luca della Robbia、1400-1481)でした。
アジアの陶磁器がヨーロッパに紹介され、ヨーロッパ風の洗練された品質やデザインで生産・流通されることになるのは、16世紀の大航海時代より後の、「近世」と呼ばれる時代になってからのことです。
これより前の時代「中世」とは、一般的には、ヨーロッパ全域を支配した大帝国であったローマ帝国が東西に分裂してから、東ローマ帝国が滅亡するまでの5-15世紀ころを指します。
17世紀のヨーロッパ人は、ギリシャ・ローマ時代(古代)と自分たちが生きる時代(近世)との間の時代を、古代の輝かしい文明や道徳が失われ、政治・経済的にも衰退してしまった「暗黒時代」と呼びました。
ヨーロッパ中世の騎士というと、ゲームの世界だとドラゴンクエストやファイナルファンタジー、映画の世界だとロード・オブ・ザ・リングなど、お城と姫とドラゴンのイメージで馴染みが深いかもしれませんね。
この時代の花形ともいえる「騎士」ですが、実際はどんな存在だったのでしょうか。