このページを開いていただき、ありがとうございます。代表取締役社長、兼店長の橋村美穂子(はしむらみほこ)と申します。
ウーバンアビーは、「いいものを長く楽しむ」文化を広めることでゴミを減らし、持続可能な社会を作ることを目指して開業したお店ですが、なぜそのようなことを考えるに至ったか、自己紹介を兼ねてお話させてください。
大嫌いだったクリスマス
私は、地方のケーキ屋の娘として生まれ育ちました。
実家がケーキ屋だったおかげで、「お庭に白いブランコのあるお家に住んでいそうね」と友達によく言われましたが、そんなわけはなく、特にクリスマスイブは家業が大忙し。夕食はケーキどころか「どん兵衛」が定番でした(美味しいですけどね、どん兵衛)。クリスマスは嫌いでした。
高校卒業後もそのまま地元の大学に進学し、ごく普通の学生生活を送っていた私ですが、ただひとつだけ、のめり込んだことがあります。
それは、ドイツ語の勉強。
ドイツ人の先生が主催するお茶会に興味本位で参加したのがきっかけでしたが、次第に先生が語るドイツでの生活に憧れるようになり、とうとう1年間の留学を決意。
ドイツでの暮らしは、外国人の友達と自国の料理をふるまいあったり、日本では見たことがない珍しい食材を試したりするのが楽しくて仕方ない毎日でした。
そして印象に残ったことがもうひとつ。
当時、仲良くしてくれたドイツ人のご家庭が「ビレロイ&ボッホ」窯の食器を毎年、数点ずつ買い足して愛用していたこと。
定番デザイン、かつ長年の使用に耐える食器だからできることだと思いますが、「いい食器で食事をすると、暮らしが明るく華やかになるでしょ」という奥様の言葉に、妙に納得したことを覚えています。
「丁寧な暮らし」とは縁遠い、効率重視の毎日
ヨーロッパに対する憧れはあったものの、就職はやはり日本で、ということでご縁のあったベネッセコーポレーションに入社します。
「進研ゼミ」から届くマンガをご存じの方もいらっしゃるかもしれません。実は、あんなマンガの冊子を作ったり、「しまじろう」の育児情報誌の編集長をしたりしていました。
仕事は楽しく、出産後も迷いなく復帰しましたが、夫は出張ばかりで家にいなかったので、ほとんどワンオペ育児。
結婚祝いで頂いたブランド食器も棚の奥にしまい、使うのは割れても惜しくない、パンのシールを集めてもらった食器(誤解のないように言っておきますが、あれはあれで便利で良いです)。
これが自分の望んでいた暮らしかな、という疑問に蓋をし、仕事、育児、家事を必死にこなす毎日でした。思えばこのころは、余裕がなく怒ってばかりいました。
イギリス生活で知った、「いいものを長く楽しむ暮らし」
そんな必死で築いたキャリアも突然の終わりが来ます。夫にイギリス駐在の辞令が出たのです。日本に残ることを考えたものの結局、家族でイギリスに暮らすことを選択。空港に降り立った時のイギリスの空はどんよりと薄暗く、正直いい印象はなかったです。
しかし、キャリアが中断され、やりがいを失った自分の目を開かせてくれたものも、またイギリスでした。
最初のクリスマスを迎える頃、いつまでも腐っていてはいけないと、近くの教会主催のイベントに参加し、イギリス人のご家庭で開かれるクリスマスパーティーにお招きいただくことになったのです。
豪華な邸宅ではありませんでしたが、小綺麗に整えられた玄関、家族の写真が所せましと飾られたリビング、そして、大事に使い込まれ丁寧に並べられた食器たち。ご家族の歴史や人となりが感じられる、とても居心地のよい空間だったのです。
ずっと心の奥底にあった願望がようやく言葉になった気がしました。「いいものに囲まれて、心豊かな暮らしがしたい」、そう思い始めていたのです。
「いいものを長く楽しむ」文化を広め、社会貢献につなげたい
もともとのめり込む性格だった私。そこからは、イギリスの食器にハマります。
調べてみると、ウェッジウッドも、バーレイも、スポードも、それぞれに創業者の苦労、商品の開発秘話、王室・貴族の人間ドラマがあるのですが、残念ながら日本ではあまり知られていないことばかりでした。
編集者としての職業病か、こんな素敵なストーリーをどこかにまとめておきたい、誰かに伝えたい、そう思い、洋食器に関するブログを始めました。
その後、周囲の方やブログ読者の皆さまからの後押しもあり、とうとうネットショップを開業することに。
完全に自分の趣味からスタートしたこのお店ですが、今では世の中を少しでも居心地のよい空間にすることに貢献できればいいな、そう思いつつ日々奮闘しています。
ここまで長々とお読みいただき、ありがとうございました。少しでも共感していただける点があれば嬉しいです。(そして、SNSをフォローするなど、応援していただければもっと嬉しいです!)
メディア掲載、取材、講演、執筆などのご依頼は、「お問合せフォーム」からお願いします。