ウィリアム・フォートナムは、1707年に、「フォートナム&メイソン」を設立した人物として有名ですが、その出自に関しては謎が多く、資料も大変少ない人物です。
ウィリアム・フォートナムの名前が歴史に登場するのは、名誉革命後のスチュアート朝最後の女王となった、アン女王のフットマン(footman)として王室で働いていた時のことです。
ちなみに、footmanとは、王族・貴族の馬車の車輪が、ぬかるみにはまったり、木の根に乗り上げたりしないよう、徒歩で馬車のまわりをついていく、要するに下級召使いのことです。
母と元家庭教師(母の愛人?)の下で、従順な国王として人形扱いされていたジョージ3世ですが、このふたりの意見を、一度だけ突っぱねたことがあったのです。
それは結婚相手の選定。
しかし、ビュート伯や母親の目があり、表だって結婚相手探しは出来ませんでした。そこで、最も信頼していたグレイム大佐に花嫁探しを任せます。
そして、グレイム大佐が連れてきたのが、シャーロット・オブ・メックレンブルク=ストレリッツ(1744-1818)、後のシャーロット王妃です。
国王ジェームズ2世が即位する前に妻アン・ハイドとの間に娘を二人もうけましたが、妻は若くして死去してしまいます。
そこで、王位継承者となる男児を得るため、また、この頃カトリック信仰を公表していたジェームズにとっては、どうしても同じくカトリックである妻を迎える必要があったため、再婚相手として選ばれたのがイタリアの名門エステ家のメアリ・オブ・モデナ(1658-1718)でした。
イタリア語名をマリーア・ベアトリーチェ・デステという彼女は、黒髪ですらりと背が高くスタイルの良い女性でしたが、このとき40才であったジェームズに対し、花嫁はなんと25才年下の15才!
チャールズ2世は、王政復古によって混乱していた国の立て直しを図るため、また当時イギリスのライバルであったオランダに対抗しようと、オランダのライバルであったポルトガル王女との結婚を画策します。
この政略結婚はキャサリンが生まれた頃から持ち上がっていたといい、キャサリンが2歳になるかならないかの1640年には婚約していたとか!
しかし、ピューリタン革命に伴う混乱によって延期となっていたのです。その後20年の時がたち、1662年、ついに二人はポーツマスにて結婚します
有名なヨーロッパの陶器会社は、創業が18~19世紀と歴史のあるところが多いですね。
その中で1985年創業と歴史は浅いけれど、女性に幅広い人気を得ている窯があります。
その名もエマ・ブリッジウォーター(Emma Bridgewater)。今回はその魅力と歴史に迫ります。
「イギリスの陶器ブランド」と言ったら、まず始めに思い浮かぶのはやはり、ウェッジウッドかもしれませんね。でも、イギリスには、ウェッジウッドの他にもすばらしい食器ブランドがたくさんあるんです。
今回は、イギリスのテーブルウエアブランドとして日本でも人気が出てきている「バーレイ」を紹介したいと思います。その歴史も奥が深くて興味深いブランドなのですよ。
工房に併設されているミュージアムやショップに足を運んできたので、その様子も交えて歴史や人気シリーズなどを詳しくレポートします!
大英帝国の繁栄期の象徴的存在であり、その時代の政治、経済、文化や技術面においては「ヴィクトリア朝」と呼ばれることでも有名なヴィクトリア女王(1819-1901)。
ちなみに、彼女が即位した時代、国内では全国的な不作も影響し、イギリス経済はどん底に あったといいますから、国民の若い女王への期待感は薄いものだったよう、、、
彼女が大英帝国を黄金期へと導き、その後60年以上にもわたる治世が続くとは国民には知る由もなかったかもしれませんね。
今でこそ紅茶といえば英国!というイメージが定着している現代ですが、英国に紅茶の習慣が広がっていった背景には、王侯貴族が宮廷内で流行らせたことをきっかけに、それが徐々に中産階級へ広がり、やがて一般市民へと浸透していった、という経緯がありました。
しかし!紅茶にまつわる習慣は何でも王族が始めたとは限りません…
たとえば、アフタヌーンティーを始めたのは国王や女王ではなく、あるお屋敷に住んでいた貴婦人。
しかも彼女のちょっとしたお悩みがきっかけとなって生まれたアフタヌーンティーは、やがて女王をも楽しませる習慣として定着していくこととなるのです。
世界中で人気を誇る紅茶ブランド、トワイニング。英国の紅茶の歴史はトワイニングと共にあるといわれるほど、実は大変歴史ある伝統的なブランドでもあります。
その創設者であるトーマス・トワイニング(1675-1741)はイングランド南西部にあるグロスターシャーの出身といわれ、もともとトワイニング家は毛織物を扱う業者だったのだそうです。
ウェッジウッドの美しいティー・カップでおいしい紅茶をいただきながら、スコーンやケーキを楽しむ・・・一生に一度は、本格的なアフタヌーン・ティーを体験してみたいものですよね。
イギリスではカフェでも楽しめますが、せっかくなら、名門ホテルで伝統的なアフタヌーン・ティーをしてはいかがでしょうか?
ロンドンにはアフタヌーン・ティーを楽しめる場所がありますが、中でも有名なのが名門5つ星ホテルのザ・サヴィ。
ロンドンの中心に位置し、テムズ川のほとりにある、1889年創業の歴史あるホテルです。
これまで、チャーリー・チャップリン、マリリン・モンローや、オードリー・ヘップバーンなど数々の著名人や王族、国家君主など世界のVIPに愛されてきました。
世界に名立たる陶磁器ブランド「ウェッジウッド」社を立ち上げたジョサイア・ウェッジウッド(1730-1795)は、イングランドのスタフォードシャー、その中でも「イギリスの陶器産業の里」と呼ばれるストーク・オン・トレント(Stork-on-Trent)の、代々陶器職人を務める陶芸一家に生まれ育ちました。
ジョサイアを並みの陶芸家とは異なる存在とした出来事が、11歳の時に起こりました。
アン女王(1665-1714)は、後に国王となるジェームズ2世の次女として生まれました。
アンの姉は、後に女王となるメアリ2世で、姉のメアリは控えめで大人しい性格であったのに対し、アンは乗馬やスポーツを好む社交的な人柄であったようです。
1683年にアンはデンマーク・ノルウェー国王の次男であったヨウエンと結婚し、夫婦仲は非常に良かったと言われています。
そんなアンの人生の転機ともいえる出来事が、1688年におきた名誉革命。