英国王室への愛から生まれた食器ブランド
英国らしい優美な花柄が特徴的なロイヤルアルバート。その歴史は1896年、イギリスの陶器の街ストーク・オン・トレントで始まりました。
1896年、トーマス・ワイルドとトーマス・クラーク・ワイルド親子は、アルバートワークスという陶器工場を買い上げて、自分たちの工場「トーマス・ワイルド・カンパニー」を創業します。
出典: http://www.thepotteries.org/ (トーマス・ワイルド・カンパニー)
もともとの工場名「アルバートワークス」は、大英帝国最盛期の女王であるヴィクトリア女王の夫、アルバート公と女王夫妻の孫・アルバート王子にちなんで名づけられたそうです。
創業者が英国王室を愛するが故のネーミングだったのですね。
ヴィクトリア女王の即位60周年記念式典が躍進のきっかけに
さて、この工場が「トーマス・ワイルド・カンパニー」として新たに創業された翌年1897年には、早くも、王室からヴィクトリア女王即位60周年記念(ダイヤモンド・ジュビリー)の記念品を依頼されます。
ちなみに、ヴィクトリア女王の在位は63年7か月に及び、現在のエリザベス2世女王が2015年9月にこの記録を塗り替えるまで、歴代イギリス国王としては最も長い在位期間でしたので、即位60年式典がいかに大きな節目の行事であったかというのが窺い知れます。
出典: Wikimedia Commons (ヴィクトリア女王の即位60周年式典)
また、この式典は各国の王室・皇室を招くよりも、イギリス大英帝国の世界各地の植民地の首相や駐留部隊の代表者を集め、大英帝国としての威信を示す、意味合いを重視したものでしたので、
まだ歴史が浅いといえども、英国愛を前面に打ち出したロイヤルアルバートのブランドコンセプトは、うってつけだったのかも知れませんね。
ロイヤルアルバートは、この記念品製作の功績が認められ、ロイヤルワラント(王室御用達)を叙勲。
1904年には、英国王室から「ロイヤル」の名を冠することを許され、トーマス・ワイルド・カンパニーは「ロイヤルアルバート」へブランド名を刷新させます。
出典: ロイヤルアルバート 公式サイト (ロイヤル・ワラント)
現在は、ウェッジウッドと同じ企業グループに
ロイヤルアルバートとなってからも、王室御用達の名にふさわしい美しい製品を生み出す一方、一貫してリーズナブルな価格を維持し、成長を続けます。2006年には、ブランド100周年を記念したシリーズも発売され話題を呼びました。
出典: https://wabbey.net (100年記念シリーズ)
しかし、その後、ウェッジウッド、ロイヤルドルトンを擁する「WWRDホールディングス」の傘下となり、そのWWRDも、2015年にフィンランドの消費財メーカーで、傘下にイッタラ、アラビア、ロイヤルコペンハーゲン、ロールストランド等の有名ブランドをいくつも抱える「フィスカース(Fiskars)」グループに買収されることとなります。
伝統を受け継ぎながらも世界中で愛される代表的なシリーズ
1)紅茶のための究極のシェイプ 「オールド・カントリー・ローズ」の「モントローズ・シェイプ」
ロイヤルアルバートの特徴は、英国王室御用達の名にふさわしいエレガントな佇まいと、美しい花柄のデザインにあります。
まずは代表的なシリーズである、オールド・カントリー・ローズについてご紹介したいと思います。
「オールド・カントリー・ローズ」は1962年に誕生し、単一デザインで一億ピース以上を売り上げ、大ベストセラーとなりました。
一億ピースというと、日本国民の成人のほぼ全員が持っているくらいの数ですから、いかにすごい人気であったか想像ができますね。
そのヒットの原因は、イギリスの国花であるバラを古典的かつ優美にあしらったデザインで、その親しみやすさが人気の理由のひとつ。
出典: ロイヤルアルバート 公式サイト (Old Country Rose)
そして、そんなオールド・カントリー・ローズに用いられる「モントローズシェイプ」は、紅茶を最も美味しく飲むための究極のシェイプといわれています。
モントローズシェイプの特徴は、横広がりの飲み口、洋ナシのようにウエストから下が丸まったボディ、そして高めの高台です。
紅茶を美味しく抽出するためには、沸かしたてのお湯で淹れることが重要です。
しかし、すぐに飲むには熱すぎますよね。モントローズシェイプの特徴である末広がりの飲み口は、表面積を大きくして、熱々の紅茶を適度な温度に素早く冷まします。
口に含む瞬間は、紅茶が適温になっている設計です。
紅茶は冷めすぎると渋みが目立ち、美味しさが損なわれる飲み物。モントローズシェイプの特徴的な洋ナシ型のボディには、紅茶の温度をキープし、美味しさを保つ役割があります。きゅっとすぼまったウエストと、丸まったお尻の部分で対流を生み、紅茶が冷めにくい構造です。
また、高めの高台は、ソーサーから冷気が伝わるのを防いでくれます。 紅茶を美味しい温度でキープしたまま適温で飲みたい……。
オールド・カントリー・ローズのモントローズシェイプは、そんなわがままな願いを叶えるために考えられた、まさに「究極のシェイプ」と呼ぶに相応しい逸品です。究極のシェイプで飲む紅茶は、格別の味わいになることでしょう。
2)モダンな印象の「ニュー・カントリー・ローズ」
現在のロイヤルアルバートは英国王室御用達の伝統を守りながら、現代的なシリーズも数多く生み出しています。
ロイヤルアルバートの代表作、オールド・カントリー・ローズをもとにデザインされた、ニュー・カントリー・ローズ。
凛とした佇まいと、小花が散りばめられた現代的なデザインです。2012年にオールド・カントリー・ローズ発売50周年を祝して発売されました。
出典: ロイヤルアルバート 公式サイト (New Country Rose)
また、ニューカントリーローズには、色違いでピンクもあります。
出典: ロイヤルアルバート 公式サイト (New Country Rose Pink)
ミランダ・カーとのコラボモデルも
オーストラリア出身のスーパーモデル、ミランダ・カー。
「ヴィクトリアズ・シークレット」のエンジェルとしても高い評価を得る彼女とのコラボモデルも発売されています。
彼女の祖母と過ごした、懐かしいティータイムの思い出からインスパイアされたのだとか。華やかな牡丹の花と蝶が白磁のティーカップに咲き誇り、上品でフェミニンなティータイムを彩ります。
出典: ロイヤルアルバート 公式サイト (ミランダ・カー・コラボレーションモデル)
伝統的スタイルを守りながらも、新しい時代への挑戦を続けるロイヤルアルバート。その魅力は、現代でも変わらず世界中で愛されています。
クラシカルなティーウェアをお探しの方も、モダンでフェミニンなテーブルウェアをお求めの方も、ぜひ一度手に取ってみられることをおすすめします。
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