
出典: グスタフスベリ本国公式サイト(ベルサ)
「北欧デザインが好き」「昔と変わらず、今もヨーロッパで作られている食器がほしい」、そう思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
もし、あなたがそう思っているなら、「グスタフスベリ」という食器ブランドがおすすめですよ!
アラビアやイッタラは知ってるけど、グスタフスベリという名前は聞いたことがないという方でも、上記写真にある緑の葉っぱをモチーフにした食器はどこかで見たことがあるかも?
「グスタフスベリ」はスウェーデンの老舗窯。
1726年にスウェーデン王室御用達窯として創設され、18世紀のスウェーデン名君といわれるグスタフ3世もディナーセットを発注したりという長い歴史があり、そして、今も昔と変わらず、スウェーデンのグスタフスベリという街で職人が作る食器なのです。
おまけにデザインは名作ぞろい!
今回は、グスタフスベリ窯の歴史と、人気の名作シリーズを一挙、ご紹介します。ひと味違った北欧デザインを探しているなら、おすすめですよ!
海外生産に切り替える窯も多い中、今もスウェーデンで職人による食器づくりにこだわる窯
出典:Wikipedia(グスタフスベリ)
「グスタフスベリ(Gustavsbergs Porslinsfabrik)」は1825年、スウェーデンの首都ストックホルムの東、約20kmのところにあるグスタフスベリという街で設立されました。
現在はテーブルウエアをメインに作っていますが、以前は、それ以外にもトイレなどの衛生陶器、プラスチックやエナメルを使った製品なども手掛けていました。
出典:National Museum(スウェーデンの国立美術館に所蔵されている、1800年代のグスタフスベリ窯作のプレート)
グスタフスベリが特に有名なのは、そのデザイン。1950年代にグスタフスベリで多くの名作を生みだした、スウェーデンを代表するデザイナー「スティグ・リンドベリ(Stig Lindberg)」や
出典:National Museum(スティグ・リンドベリ)
このリンドベリがスカウトして入社した、かわいい動物のオブジェで日本でも大人気の「リサ・ラーソン(Lisa Larson)」などを輩出し、長く愛され続ける作品を生み出してきました。
出典:National Museum(リサ・ラーソン)
出典:National Museum(Skulptur/figurin, "Lilla Zoo, Katt")
また、ヨーロッパの多くの窯が生産コストの安いアジアなどの海外に生産拠点を移す中、グスタフスベリは今もスウェーデンに工房を構え、職人が昔と変わらない方法で食器を作っていることも押さえておかねばなりません。
出典: グスタフスベリ本国公式サイト
50年代に西武百貨店の包装紙のデザインも手掛けた!「スティグ・リンドベリ」
出典:National Museum(スティグ・リンドベリとリサ・ラーソンの2人がともに写真に収まっている貴重な写真)
グスタフスベリの歴史を語るうえで欠かせないのがやはり、多数の名作を生み出したデザイナー「スティグ・リンドベリ」!
彼の功績を一つひとつ紐解いてみましょう。
「スティグ・リンドベリ」は1949年、グスタフスベリのアートディレクターに就任してからこの工房に大きな影響を与えてきた人物。
彼がデザインするものは、実用的であり、上品でエレガントであり、かつ遊び心に満ちたもので、たちまち人気となりました。
ティーカップや皿などのテーブルウエアやキッチンウエア、花瓶やオブジェなど実にさまざまな作品が生み出され、1950~60年代にはスウェーデンのどの家庭にも彼がデザインしたものがあったと言われるほど。
また、テキスタイルのデザインや公共の場のオブジェなども手掛けるようになりました。
出典:National Museum(Skotten)
実はこのスティグ・リンドベリ、日本にも縁があるのですよ。
なんと、1950年代後半には西武百貨店の包装紙のデザインを手掛けていたのです!赤のバージョンが有名なようですが、スウェーデンの国立美術館には下記の黒いバージョンがアーカイブとして保管されています。今見てもスタイリッシュで素敵なデザインですよね。
出典:National Museum(Omslagspapper "Seibu")
彼は陶磁器のデザイナーであり、イラストレーターやテキスタイルデザイナーなどのさまざまな顔をもつ、才能あふれる人物だったのです!
今も色褪せない50-60年代の作品が次々と復刻!おすすめの名作シリーズ5選
出典: グスタフスベリ本国公式サイト(Sailor)
グスタフスベリで人気シリーズはやっぱり、「スティグ・リンドベリ」デザインのもの!
ファンからの要望により、リンドベリの名作シリーズが次々と復刻されているのです。
50~60年代に作られたリンドベリ作のヴィンテージものはネットやアンティークショップなどで手に入れることもできるのですが、もし、長く使いたいのなら、グスタフスベリが現在発売している復刻版をお勧めします!
新品だから、欠けや割れ、ひびなどの心配もないからです。
では、「スティグ・リンドベリ」によるデザインの中でも、特に人気の名作シリーズを5つ紹介します!
1)緑の葉っぱがテーブルに爽やかな風を運ぶ グスタフスベリの代表作「ベルサ」(Berså)
出典: グスタフスベリ本国公式サイト(ベルサ)
いわずと知れた不朽の名作デザイン「ベルサ(Berså)」。
発売された当時は、社内からは不評だったデザインでしたが、ふたを開けてみればグスタフスベリの顔ともいうべき記録的なヒットとなったシリーズです。
カップとソーサーだけでなく、冒頭の写真にもあるように、大皿や保存容器などさまざまな大きさや用途の食器があるから、シリーズでそろえるのもおすすめです。
この商品をストアで見る→ベルサ
2)ぷっくりとしたパープルの実がかわいい!「プルーヌス」(Prunus)
出典: グスタフスベリ本国公式サイト(プルーヌス)
ベルサと並んで人気の「プルーヌス(Prunus)」。
プルーヌスとは、ラテン語で「サクラ」という意味。このプルーヌスはスモモの一種を描いたものだそう。こちらも「ベルサ」と並んで大人気のシリーズです!
3)大ぶりのヴィヴィッドな花がアクセント「レッド・アスター&ブルー・アスター」(ASTER RÖD & ASTER BLÅ)
出典: グスタフスベリ本国公式サイト(レッド・アスター)
アスターとは、日本語名は「シオン」というキク科の植物。
出典:Wikipedia(シオン)
カップいっぱいに大胆に施された花が印象的ですね。色は鮮やかなレッドと落ち着いたブルーの2色。あなたはどっちがお好き?
出典: グスタフスベリ本国公式サイト(ブルー・アスター)
4)北欧っぽいハトのイラストが愛らしい「チュールチュール」(Turtur)
出典: グスタフスベリ本国公式サイト(チュールチュール)
「チュールチュール(Turtur)」という名前の音の響きもイラストもかわいらしいシリーズ。
ハトをモチーフにしたデザインです。1972年~74年の短い間しか生産されなかったけれど、根強いファンの要望で2011年に復刻したそう。
5)並んだドットがすっきりとした印象を醸し出す「アダムとエヴァ」(Adam&Eva)
出典: グスタフスベリ本国公式サイト(アダム)
整然と並んだドットが美しい「アダム」と「エヴァ」シリーズ。青いほうが「アダム(Adam)」、赤いほうが「エヴァ(Eva)」です。
名前の由来は、言わずと知れたキリスト教に登場する「アダムとイブ」。せっかくならペアでそろえたいシリーズですね!
出典: グスタフスベリ本国公式サイト(アダム&エヴァ)
いかがでしたか?
日本の百貨店などには店舗がないので、グスタフスベリの作品はウェブサイト上で確認してくださいね。グスタフスベリの本国サイトには、日本語バージョンもあるので大丈夫です!
さらに、日本では知られていないグスタフスベリの北欧デザインの食器に出会いたいなら、スウェーデンの「グスタフスベリ陶磁器美術館」に行くのもいいかも!
現在は改装のため一時休館中ですが、2020年夏に再オープン予定とのこと!きっと、見れば見るほど、グスタフスベリの魅力に引き込まれますよ。
出典:National Museum(改装前のグスタフスベリ陶磁器美術館の外観)
この商品をストアで見る→グスタフスベリ
参考資料
「器の教科書」(マガジンハウス)