出典:レイノー本国公式サイト
「1枚あるだけでおしゃれに決まる、存在感のある食器がほしい」―そうお思いの方もいらっしゃるかもしれませんね。
決して、安い買い物ではないから、どんな料理にも合わせやすくて、洗練されたテーブルにしてくれる食器を選びたいですよね。
そんな方には、フランスの「レイノー(Raynaud)」という食器ブランドをお勧めします!
世界の高級ホテルや星つきレストランでも使用されている洋食器ブランドなのですよ。また、世界の注目を集める有名シェフとコラボした食器シリーズも人気。今回は、この窯の歴史や人気コレクションを紹介します。
3代にわたって「レイノー家」がリモージュ磁器の伝統の技を守り続けている
出典:レイノー本国公式サイト
レイノーは、フランスを代表する磁器の生産地、リモージュで創業されました。リモージュといえば、ロワイヤル・リモージュにベルナルド、ロールセリニャックなど、現在でも高級陶磁器ブランドのメッカとして知られています。
1849年に窯が設立されたのが始まりですが、レイノー家が本格的に工房の運営に関わり始めたのは1911年のこと。
初代マーシャル・レイノーは、20歳の頃から世界を渡り歩いていた磁器のセールスマンでした。「白い金」ともてはやされた「真っ白な磁器」を販売するために複数の言語を身につけ、世界中を股にかけてビジネスを行っていました。
ビジネスの中で、質の高いカオリンが取れるフランス・リモージュの磁器は世界的な人気だと実感していたマーシャルは、1911年、リモージュに自分の絵付け工房を開くことに決めたのです。
出典:レイノー本国公式サイト(Martial Raynaud)
マーシャルが1代で築き上げた窯を引き継ぎ、さらに大きくしたのはマーシャルの長男アンドレ。
出典:レイノー本国公式サイト(André Raynaud)
アンドレは、早くから工場に勤め、絵や油絵を学んだといいます。
優れたアーティストでもあり、匠と呼べるほどの腕をもったアンドレは、1952年、マーシャルの死後、会社を引き継ぎ、2代目として会社の近代化とコレクションのリニューアルに取り掛かりました。
彼はアンティーク磁器のコレクターで芸術を見極める確かな目をもっていたことから、過去のヨーロッパの名窯の優れた絵柄を現代的に「翻訳」し、新たなコレクションとして発表していきました。
また、有名芸術家とのコラボ―レーションも積極的に行いました。
例えば、フランスを代表する芸術家であり、 小説や戯曲、絵や映画と多くのジャンルで芸術表現を行った 「ジャン・コクトー」や、
Mon oreille est un coquillage. Qui aime le bruit de la mer.
(私の耳は貝の殻 海の響きを懐かしむ)
出典:「耳」ジャン・コクトー(堀口大學 訳)
スペインのシュルレアリスムの巨匠「サルバドール・ダリ」との協働は有名です。
出典:MUSEY(「記憶の固執」サルバドール・ダリ作)
「ジャン・コクトー」のシリーズは現在でも人気です(下写真)。
出典:レイノー本国公式サイト(JEAN COCTEAU)
現在はアンドレの息子で、5人兄弟の末っ子バートランが3代目として会社を引き継いでいます。
出典:レイノー本国公式サイト(バートラン・レイノー)
バートランは父や祖父と同じく、好奇心旺盛なだけでなく、美食家であり、料理の専門家でもあります。彼の食に対する情熱が、料理界との強い結びつきを育て、新たなコレクションが生まれました。
例えば、アメリカ西海岸で ワインの産地として有名なナパバレーにある、全米一予約を取るのが難しい三ツ星レストランとして有名な「フレンチ・ランドリー」のシェフ「トーマス・ケラー」氏とのコラボレーションで生まれた白い食器「オマージュ・シリーズ」や
出典:レイノー本国公式サイト(Hommage)
2007年に56年ぶりに女性シェフとしてミシュランの三ツ星を獲得したフランスの「アンヌ・ソフィー・ピック」氏。彼女との協働の作品が「ルナ・シリーズ」です。
出典:レイノー本国公式サイト(Lunes)
そのほか、3代目バートランは父や祖父にはない、新たな感性でレイノーに新たなコレクションを付加し続けています。
出典:レイノー本国公式サイト(TRÉSOR FLEURI)
このように、3代に渡り、伝統技術を守りつつも、時代に即して新たな風も取り入れているレイノー。現在、フランスの経済産業省が認定する「無形文化財企業(EPV)」に選ばれています。
古くから受け継がれてきた専門的な技術を保持している、優秀な企業の印でもあり、フランスの最高レベルの技術をもつ証でもあります。
また、あまり知られていないのですが、日本におけるレイノー製品の輸入代理店は、カレールーなどで有名な「ハウス食品株式会社」なんですよ。ちょっと意外ですね。
世界でも、日本でも。ミシュランの星付きレストランでも使われる食器たち
出典:レイノー本国公式サイト(Eclipse)
レイノーの食器はその洗練され、料理を際立たせるデザインで、世界中の一流レストランでも使用されています。
例えば、オープンしたいくつものレストランに星のお墨付きがついている「ピエール・ガニェール」氏。彼もレイノーの食器の愛用者。
日本では、ANAインターコンチネンタルホテル東京にお店を構えています。このお店は、8年連続、ミシュランの2つ星を獲得するほど!そんな腕利きのシェフが使っている食器、使ってみたいですね。
また、本国公式サイトによると、日本人では東京の「シェ・イノ」の井上旭(のぼる)シェフもレイノーの食器を愛用しているとか。
どんな料理とお皿のコンビネーションなのか、興味がわきますね!
使えば、料理の格がもっと上がるかも!レイノーの人気シリーズ4選
出典:レイノー本国公式サイト(MINÉRAL)
それでは、具体的に人気シリーズを見ていきましょう。
1)1枚あると、テーブルが決まる!クリストバル(Cristobal)
出典:レイノー本国公式サイト(クリストバル・ルージュ)
クリストバルとは、太平洋とカリブ海を結ぶパナマ運河近くにある小さな港の名前。
南国の明るい光や珊瑚をモチーフにしたこのシリーズは、インパクトのあるデザインのため、一見、使いにくそうに見えますが、そんな心配はご無用!
光を落とした、少しかしこまったディナーでも、太陽の光がさんさんと降り注ぐバルコニーでのカジュアルなランチにもすっとなじみ、シーンを選ばないことで人気を誇っています。
コーヒーカップ1つをとっても、印象深い、洗練されたテーブルになりそうですよね。
出典:レイノー本国公式サイト(クリストバル・ルージュ)
また、このシリーズは、海のように、深い青が印象的な「マリン」シリーズもあります(本国公式サイトのみ)。
出典:レイノー本国公式サイト(クリストバル・マリン)
2)額縁効果で料理が引き立つ!ミネラル(Mineral)
出典:レイノー本国公式サイト(ミネラル)
インテリアデザイナーのティエリー・シェイル氏によるデザインです。
細かいレリーフと淡い色は自然にインスピレーションを得て作られました。中央が白く、周りに縁取りがあるシリーズと、全面にレリーフが施されたシリーズの2種類があります。
出典:レイノー本国公式サイト(ミネラル)
また、色の種類も豊富。白や黒、グレーだけでなく、落ち着いた色味のターコイズやブロンズ系の色味も人気です。
さらに、白いレリーフの素地に銀の縁取りをした「プラチナ」シリーズもあります。
出典:レイノー本国公式サイト(ミネラル・プラチナ)
3) 上品で豪華なテーブルを演出したいときに!サラマンク(Salamanque)
出典:レイノー本国公式サイト(サラマンク)
高級レストランで見かけそうな、ゴージャスな1枚。それが「サラマンク」シリーズです。
時は16世紀、ルネサンス時代にスペインで作られていた金属細工のモチーフをオマージュしてデザインされました。こちらも銀色の「プラチナ」シリーズもあります。
出典:レイノー本国公式サイト(サラマンク・プラチナ)
5)優しい色彩とモチーフでいろんな料理に合わせやすいヒストリー・ナチュール(Histoire Naturelle)
出典:レイノー本国公式サイト(ヒストリー・ナチュール)
白地に鳥や蝶、花や緑を美しくあしらったシリーズ。このシリーズの売り上げの一部は、危機に瀕した種の保護区のための基金に寄付されるなど、自然への愛情を込めた作品です。
デザインは、全面に絵をほどこしたもののほかに、2羽の鳥が向かいあっているパターンや
出典:レイノー本国公式サイト(ヒストリー・ナチュール)
枝のあしらい方を変えたパターンもあります。あなたはどのパターンが好きですか?
出典:レイノー本国公式サイト(ヒストリー・ナチュール)
いかがでしたか?
レイノーは東京・青山に直営店があり、そこで実際の食器をご覧になれます。お近くに行かれる際は、ぜひ一度立ち寄ってみて、ご自身の目でそのよさを確かめてくださいね!
出典:レイノー本国公式サイト
エルキューイ・レイノー青山店
TEL:03-3797-0911
FAX:03-3797-0913
営業時間:11:00〜19:00(日曜定休日)
住所:東京都港区北青山3-6-20 KFIビル2F
(地下鉄表参道駅B2出口より 3分)
参考資料
「洋食器のきほん」(誠文堂新光社)