世界に名立たる陶磁器ブランド「ウェッジウッド」社を立ち上げたジョサイア・ウェッジウッド(1730-1795)は、イングランドのスタフォードシャー、その中でも「イギリスの陶器産業の里」と呼ばれるストーク・オン・トレント(Stork-on-Trent)の、代々陶器職人を務める陶芸一家に生まれ育ちました。
ジョサイアを並みの陶芸家とは異なる存在とした出来事が、11歳の時に起こりました。
アン女王(1665-1714)は、後に国王となるジェームズ2世の次女として生まれました。
アンの姉は、後に女王となるメアリ2世で、姉のメアリは控えめで大人しい性格であったのに対し、アンは乗馬やスポーツを好む社交的な人柄であったようです。
1683年にアンはデンマーク・ノルウェー国王の次男であったヨウエンと結婚し、夫婦仲は非常に良かったと言われています。
そんなアンの人生の転機ともいえる出来事が、1688年におきた名誉革命。
メアリ2世(1662-1694)は、夫と共に即位し、ふたりで共同統治を行ったことで知られるイングランド女王です。
イギリスの歴史上、夫婦が平等に国王と女王として「共同統治」を行ったのは、この夫ウィリアム3世と妻メアリ2世の時代のみです。
メアリ2世の伯父であるチャールズ2世は前々国王、父であるジェームズ2世は前国王、3才年下の実の妹はその後のアン女王、と家系だけみれば非の打ちどころのない華麗なる一族です。
しかし、彼女の即位までの経緯は、いろいろな利害関係と思惑がからみあった綱引きの結果であり、統治後も気苦労の絶えない人生であったようです。