ベルナルド|世界中の一流シェフや星つきレストランが愛してやまないフランスの食器

ベルナルド出典:ベルナルド本国公式サイト

「料理が映える洋食器がほしい」「特別な人を招待して、ゆっくり料理でもてなしたい」―もし、あなたがそうお思いでしたら、ぴったりの食器がありますよ。

その名は「ベルナルド」。

美食の国フランスで生まれたブランドで、現在は世界中の高級ホテルや三ツ星レストランでも使用される、一流シェフたちの心をつかんで離さない洋食器なのです!

今回は、日本では知る人ぞ知るベルナルド窯の歴史やその特徴、人気シリーズをわかりやすく紹介します。これを読めば、ベルナルドの食器で大切な人をもてなしたくなりますよ!

 

磁器の街リモージュで生まれたナポレオン3世御用達の窯

ベルナルド出典:ベルナルド本国公式サイト

ベルナルドは1863年、フランス中部の雄大な山岳地帯オーヴェルニュ地方に隣接した、リムーザン地方の州都、「リモージュ」で産声を上げました。

リモージュは、ロワイヤル・リモージュを始めとして、ロールセリニャックレイノーなどを擁する、現在もフランス有数の磁器生産が盛んな地域ですが、実は磁器生産が始まるずっと前の12世紀から、金属工芸品の1つである「エマイユ(七宝焼き)」(下記写真)の生産地として発展を遂げてきました。

リモージュ、エマイユ出典:Wikipedia(Émail de Limoges)

リモージュで磁器生産が始まったのには、このような歴史的な背景もあったかもしれませんが、実はある日、リモージュ近郊で一人の女性が磁器生産に欠かせない原料を偶然、発見したというのが大きかったのです。

1768年、一人の女性が真っ白で柔らかい粘土を見つけ、麻の布地の漂白や脂落としのために使っていました。

ところが、この白い粘土こそ、リモージュのその後の運命を変える大発見だったのです。のちにこの白い粘土は専門家によって、磁器生産に欠かせない原料の一つ、カオリンであるとつきとめられました。

中国や日本の磁器が「白い金」としてもてはやされていた時代、この大発見から、白く美しいリモージュ磁器(下記写真)の歴史が始まったのです。

リモージュ磁器出典:Wikipedia(リモージュ磁器)

磁器に欠かせない原料のカオリンが発見されたあと、リモージュには磁器の窯が増えていきました。ベルナルド窯もその流れに乗り、カオリンの発見から約100年の時を経て創業されました。

それを待っていたかのように、創業後まもなく、ナポレオン3世の御用達窯の名誉を受けます。ナポレオン3世の皇妃ウジェニーにこよなく愛され、トップブランドとしての地位を築いていきました。

皇后ウジェニー出典:Wikipedia(ナポレオン3世の皇后ウジェニー)

ちなみに、ナポレオン3世は、あの「 余の辞書に不可能という文字はない 」 のナポレオン1世の甥 にあたります。ナポレオンの妻ジョゼフィーヌの連れ子オルスタンスと、ナポレオンの弟ルイの間にできた子供です。

 

世界の一流シェフたちに愛されるのには、洗練されたデザインだけではない、理由があった

ベルナルド出典:ベルナルド本国公式サイト

現在、ベルナルドはフランス最大規模の高級磁器ブランド。

そんなベルナルドの特徴といえば、まず挙げられるのは、世界中の一流ホテルや三ツ星レストランでも使用され、一流シェフから絶大な人気と信頼を得ているところではないでしょうか。

本国の公式ウェブサイトによると、パリ、東京、ニューヨーク、ロサンゼルス、香港など世界の主要都市に君臨する一流レストランのなんと70%がベルナルドの食器を使っているそう!

では、なぜ、ベルナルドの食器はここまでシェフたちに愛されているのでしょうか。

デザインが洗練されているから?確かにそれもあるでしょう。一流シェフたちの心をつかんで離さないのには、3つの理由があるようです。

 

卓越した製陶技術でシェフの願いを叶え続けているから

ベルナルド出典:ベルナルド本国公式サイト(Caviar plates petrossian)

まず、始めに言えるのは、ベルナルドがシェフたちの希望をしっかりと把握し、ベルナルドが誇る技術やデザインで叶えていることではないでしょうか。

例えば、大人数のシェフであふれる忙しい厨房でも扱いやすいように、衝撃や加熱方法の違いに耐えられる丈夫な磁器用粘土を開発したり、メインディッシュ用の皿はより長い時間、食材の温度を保てるように、パン皿やティーカップやソーサーよりも皿の厚みを増す工夫をしたりしているとのこと。

シェフに寄り添い続けていることが熱烈な支持を受ける理由でもあるのです。

 

常に料理のトレンドを読み、新しい食文化に合わせた食器を提案しているから

ベルナルド出典:ベルナルド本国公式サイト

ベルナルドは、時代とともに移り変わる料理のトレンドに合わせて、新しい食器を提案していることも挙げられます。

例えば、ヌーベル・キュイジーヌ(フランス語で「新しい料理」の意味)や、カリフォルニア料理(多国籍料理が融合した料理)、最近では、分子ガストロノミー(調理を物理的、科学的に解析した科学的専門分野。分子美食学と訳されることもある)などのトレンドをいち早くつかみ、新しい時代にふさわしい、新しい食器の形を提案してきたのです。

料理をより美しく引き立て、新しいスタイルに相応しい食器を提供することで、シェフが目指す世界観をともに具現化してきたのです。

 

シェフの世界観をより深く表現するために、食器のオーダーメイドにも応じる

ベルナルド出典:ベルナルド本国公式サイト

シェフたちが求める食文化の世界観をより体現するために、ベルナルドはオーダーメイドの食器や個々のレストランにカスタマイズした食器も作っています。

その顧客リストは一流店がずらり!例えば、フランス料理界の巨匠アラン・デュカス氏がプロデュースする、ベルサイユ宮殿内のカフェレストラン「オール(Ore)」や、日本でも有名なパティスリーショップ「ピエール・エルメ」など。

また、コーヒー通のシェフからの「コーヒーの風味をできる限り長く保つカップを」という少しわがままなオーダーにも、そのカップの形状を試行錯誤して、見事、答えたとか。

このように、一流シェフが厚い信頼を寄せる背景には、料理を美しく華やかに引き立てるデザインのあくなき追求と、シェフの料理を最後まで美味しく食べられるようにするための製陶技術の2つがあるのです。

 

名だたる芸術家やデザイナーとのコラボレーションで、フランスらしいクリエイティブさも持ち合わせる

ベルナルド出典:ベルナルド本国公式サイト(Marc Chagall)

ベルナルドはまた、名だたる芸術家やデザイナーとの協働で、オリジナリティ溢れる食器も提案しています。特筆すべきは、「色彩の魔術師」と称えられるフランスの画家シャガールのコレクション(上記写真)!

シャガールへの認識を新たに広める目的で設立されたマルク・シャガール財団は、シャガールの絵画を磁器の上で復刻・表現できるブランドとして、ベルナルドを選びました。

シャガールコレクションの中には、パリのオペラ座(オペラ・ガルニエ)の天井絵のプレートもあります。いつまでも眺めていたい、美しい色彩ですね。

ベルナルド出典:ベルナルド本国公式サイト(Marc Chagall Collection- sketch for the opera ceiling)

また、パリのルーヴル美術館にある「カフェ・マルリー」の装飾を担当したオリヴィエ・ガニエール氏によるコレクションも必見です!

フランスのロココ調のカップもいいけれど、スタイリッシュで現代の住環境にもすっとなじむこんなデザインも素敵ですね。

ベルナルド出典:ベルナルド本国公式サイト(OLIVIER GAGNÈRE- Knossos,Delphos)

さらに、ベルナルドは、食器だけでなく、テーブルランプやジュエリーも有名デザイナーなどといっしょに手掛けています。

ベルナルド出典:ベルナルド本国公式サイト(A THOUSAND AND ONE JEWELRY DELIGHTS)

世界最高齢97歳のファッションアイコンの「アイリス・アプフェル」とコラボしたアクセサリーもありますよ!アイリス自らモデルになって着けています(下記写真)。

アイリス・アプフェル出典:ベルナルド本国公式サイト(Iris Apfel)

手に持っているカップは「コンスタンス」という人気シリーズ。のちほど、詳しく説明するので、お楽しみに!

 

使えば、まるで三ツ星レストラン風に!ベルナルドの人気シリーズ5選

ベルナルド出典:ベルナルド本国公式サイト(Kintsugi)

お待たせしました!それでは、ベルナルドの人気シリーズ5選をご紹介します。

 

1)エキュム(Ecum)

ベルナルド、エキュム出典:ベルナルド本国公式サイト(エキュム)

まず、ご紹介したいのは、ベルナルドの人気シリーズから!

これは海辺の風景にインスパイヤされた「エキュム(Ecum)」というシリーズ。砂浜に打ち寄せた波の跡を表現しています。

水泡がきらきらと光っているかのようですね。白い食器だからどんな料理にも合わせやすく、かつ盛りつけるだけで特別な一品料理になりそうです。

白地の「エキュム」のほか、中央は白く、周りは金色で華やかな「エキュム・モルドレ(Ecume Mordore)」や、

ベルナルド、エキュム・モルドレ出典:ベルナルド本国公式サイト(エキュム・モルドレ)

周りが銀色の「エキュム・プラティーヌ(Ecume Platine)」もあります。

ベルナルド、エキュム・プラティーヌ出典:ベルナルド本国公式サイト(エキュム・プラティーヌ)

 

2)コンスタンス(Constance

ベルナルド、コンスタンス出典:ベルナルド本国公式サイト(コンスタンス)

19世紀前半のアンピール様式(Empire Style、帝政様式)を再現した「コンスタンス(Constance)」。

強さや長寿、平和のシンボルであるオークの葉やどんぐり、月桂樹の葉があしらわれています。まるで職人が水彩画で描いたようなデザインの、格調高いシリーズです。

色違いの「コンスタンス・ルージュ(Constance Rouge)」もあります。

ベルナルド、コンスタンス・ルージュ

出典:ベルナルド本国公式サイト(コンスタンス・ルージュ)

 

3)ルーブル(Louvre)

ベルナルド、ルーヴル出典:ベルナルド本国公式サイト(ルーブル)

フランスのルーブル宮殿と同じ名前をもつ、このシリーズ。

まさに、その美しい建物の外壁装飾をレリーフで表現したシリーズ。白磁にレリーフのシリーズのほか、中央に淡いグリーンの装飾がいいアクセントになっているシリーズもあります。

ベルナルド、ルーブル

出典:ベルナルド本国公式サイト(ルーブル)

 

4)キンツギ(Kintsugi)

ベルナルド、キンツギ出典:ベルナルド本国公式サイト(キンツギ)

パリのポンピドゥーセンター(ジョルジュ・ポンピドゥー国立芸術文化センター)など、世界の美術館に作品を出品しているデザイナー「サルキス」による人気シリーズ。

「キンツギ」という名前から、日本との縁を感じた方、そうです、実はこのシリーズは「金継ぎ(きんつぎ)」という16世紀から日本にある磁器の修復技術をオマージュした作品です。

「破損部分を金と漆で修復し、その破損部分を隠さずそのまま見せることで芸術的な価値が高まる」という「金継ぎ」の発想にサルキスは魅了されて作ったそう!

日本の文化をさらに魅力的に体現したシリーズだから、もちろん和食のもてなしにもぴったりです。

 

5)アノ(Anno)

ベルナルド、アノ出典:ベルナルド本国公式サイト(アノ)

ベルナルドらしい、クリエイティブな作品もご紹介します!

写真はエスプレッソカップ。この個性的なデザインをしたのは、建築家でもあり、教授でもあるシルヴァン・デュビソン。

「どうやって手に持ってエスプレッソを飲むの?」というサプライズでお客様を驚かせるのも楽しいかもしれませんね。

 

いかがでしたか?

ベルナルドが一流シェフに愛される理由がおわかりいただけましたか。

ベルナルドの食器は、まだ日本での取り扱いが少ないですが、増えてきているようです。百貨店にも出店しているので、もし、お近くにいらしたときは直にその美しさを体感してくださいね!

 

参考資料

ベルナルド本国公式サイト

「世界やきもの史」(美術出版社)

「器の教科書」(マガジンハウス)

「洋食器のきほん」(誠文堂新光社)